2024/09/29 - 2024/10/08 の日程で台湾自転車で旅しました。
本記事は、その備忘録です。
退職しました。旅や学習するため退職から入社まで3か月の充電期間を確保しました。
弱虫ペダルを観た影響で自転車の魅力に気づき、自転車で旅したい欲求を抑えることができなかった。自転車旅できる国として有名な台湾を旅行先にしました。
ちなみに、自転車経験に関してですがママチャリのみ。大学以降は自転車に乗っていない超初心者でした。
調査した結果、以下のような有益な情報を得ることができました。
- 自転車は台北にあるMathewBikeで借りる人が多い
- 台湾交通部観光署が発行している台湾一周サイクリングガイドが存在する
ガイドによると1日に100km、10日で一周できるようでした。
自転車初心者ということもあり自分がどれくらい漕げるか不明なので、一日50kmを目安に計画しました。台湾の西側ルートは観光地として有名な台北、高雄などがあり面白みに欠けると考えました。一方、東側は山や海が多いこと。日本人が観光で訪れない場所という皆と違うことがしたいという天邪鬼な人間にぴったりのルートです。
よって、台北から高雄を東側ルートで半周することにしました。 自転車初心者で距離を稼げる自信がなかったので、余裕を持って 2024/09/29 - 2024/10/12 と2週間の旅行計画を立てました。
2024/09/29 - 2024/10/10 の期間で高雄まで自転車で周る。台北に新幹線で戻り自転車を返却した後、2日ほど観光するというざっくりプランです。
この計画は諸々頓挫します。後ほど紹介します。
計画を立てたのが出国の10日前。計画立案後に急いで飛行機を確保しました。
続いてMathewBikeに連絡をすると、いきなり計画が崩れました。団体顧客が自転車を借りるため、10/08 までしか貸し出せないとのことでした。日程的は余裕を持って計画していたので、観光時間を減らせば高雄までは到達できると思ったので、自転車の貸出期間に了承しました。
教訓1: 予約は早めにしよう
少し計画にズレが生じましたが許容範囲内。順調な滑り出しです。念の為、入国にビザ不要であることを確かめるなど細々とした旅行準備をして当日を向かえました。
1日目
向かえた当日。初めて羽田第3ターミナルを利用しました。こじんまりとして時間を潰せる店が少ないので再利用する際は時間ギリギリに行こうと思いました。
手荷物検査場を抜けて登場ゲートに向かうあの時間って最高ですよね。これからどんな冒険が始まるのか期待に胸を膨らませながら歩くのが楽しすぎます。唾液が大量に溢れて水分補給なんて必要ない。旅行で一番好きな瞬間かもしれません。
4時間のフライトを終えて台湾に到着。タクシーは甘えという厄介旅好き人間なので、自転車までの切符を購入しました。台湾の電車切符はコインでした。電車がいつ出発するのか掲示板に表示されており素晴らしいUXだと思いました。ちなみに、信号にも色が変わるまでの時間が表示されています。
2日目
無事自転車を確保して宿に向かい一泊。目的地である頭城に向かってペダルを漕ぎ始めました。冒険の始まりです。頭城へ向かうには、山ルートと海ルートが存在します。運動不足独身男性なので山越えは困難だろうという判断の元、海ルートを選択しました。
この時は、海から向かい風が自転車にとってどれくらい大変なものか想像できていませんでした。
順調に市内を抜けて基隆河に沿って設置されている自転車道に入りました。
市内でも道路側に一番近いレーンは原付を含む低速乗り物専用レーンが用意されていますが、基隆河沿いは別格です。台湾が自転車で有名な理由がわかりました。
誰も僕の走りを邪魔することはできない。どこへ行くのも自分が決定できるという全能感とそんなことは許してくれない身体の疲れ。自転車を漕ぐのは生きてるって感じがしました。
自転車を漕ぐこと2時間。Google Mapの経路情報では、とっくに通過している休憩地点は遥か先。時速18km前提で計測されたルート時間が自分には合わないことがわかりました。運動不足許しマジ。どこまでも行けると思ってた自信は翳りが見え始めました。結局、3時間経ち休憩地点に到着しました。1.5倍かかりました。これは、悲しいことではありません。自分の実力を正しく計測可能になり計画を立てやすくなったのです。途中で写真を撮ったりルート確認したり尻が痛くて休憩したのが遅れた原因でした。漕ぎ続けること。それが正義だ。
教訓2: 速度にブレが発生する交通手段を使う場合は、Google Mapのルート時間を信用するな
教訓3: どんなに遅くても漕ぎ続けることが重要
ひたすら漕ぎ続けた。おそらく忘れるんだけど、一つ一つの景色が思い出に変わっていくような気がした。少年心を刺激するトンネルが印象的だった。
頭城に着けると踏んでいたが、しばらくして無理なことがわかった。6時間漕いだ。体が限界だった。瑞芳という謎の街で宿をとった。
3日目。
宿主から台風が近づいていることを教えてもらった。天気予報を全く見ない人間なのでありがたい情報だ。途中で電車に乗るかもしれないが、行けるまで行こう。台湾を自転車で半周したんだよね!という人生で使えるネタを作るために頑張ろうと改めて気を引き締めた。
前日は街や山を走っていたが、海辺を漕ぐことが多かった。1番道路を抜けて2番道路に入った感じ。テンションマックスで朝の海辺を疾走した。台風が近づいていることもあり東映オープニングのように海が荒れていた。これから映画が始まりそうな予感がした。
海辺だからといって平坦な道が続いているわけではなかった。初めての18段ギアを巧みに活用しながら坂を登った。前を見る余裕はなかった。こんなに美しい景色が広がっているのに気づくことができない。辛い時は視野が狭くなるものだ。今、生きるのが大変なやつに視野を広く持とうぜ!なんて言わないと決めた。
福隆から石城まで山をくり抜いて作った自転車道を利用した。大きく外回りする気力がなかった当時の僕には泣くほど嬉しい道だ。マリオカートのショートカットポイントのようだ。2kmほどの長いトンネルをひたすら漕いだ。
疲れから誘惑に負けて電車に乗ろうと駅に向かうと自転車乗車可の電車はないと言われた。どうやら、自転車乗車可の電車は2駅毎にあるようだ。神は漕げとおっしゃた。
漕ぎながら気づいたのは、セブンイレブンとファミマがやたら多いということだ。ローソンはなかった。台湾の1週間後に旅したインドには全くなかった。出店戦略が気になるところだ。財務諸表でも見ようかな。
知らない街に知ってる店があるという安心感。最高だよな。
くだらないことを考えていると夜になったので礁渓に宿をとった。旅人の味方「地球の歩き方」による温泉が有名な街である。
宿には湯船がついていた。安宿でもこの街の宿には湯船があるようだ。
旅には酒が必要なのでBarに向かった。大学を卒業したばかりの若者が開いている729Barに入った。酔っ払いのおじさんに半ば強引に屋台飯をご馳走なりながらアルコールを摂取した。店主に中国語を教えてもらった。
ツーシンナーリー where is it?
ワーヤーチャッガー I want this
ドーサーチェン how much is it?
良い店だったので、礁渓に立ち寄った際は訪れてほしい。
https://maps.app.goo.gl/J2qia8mXsQAfDyzE6
明日に両替するので、すっからかんになるまでお金を使った。気分の良い夜だ。
4日目。
二日酔いにならなかった。お酒は強い方だ。2万円を握りしめて銀行へ向かった。
閉まっている。どうやら台湾では台風だと銀行も休みになるようだ。
政府のサイトで確認できます。
https://www.dgpa.gov.tw/typh/daily/nds.html
仕方ないので、クレジットカードのキャッシング機能を利用することにした。ATMにクレジットカードを差し込んで引き出そうとすると「translation failed」。当時、世界で一番嫌いな言葉でした。
心当たりはあった。出国前に引越し、Mac買い替え等で与信枠がなくなった可能性があった。
原因を特定するために、セブンイレブンで少額決済を行った。失敗。専用サイトで与信枠を確認すると、0の文字。
状況を整理しよう。
日本円は3万円あるが銀行が閉まっているため両替ができない。
クレジットカードで現金引き落としができない。
つまり、手元に台湾ドルがない。台風の中、野宿を覚悟しました。
さすがに野宿は危ないのでホテルスタッフと交渉した結果、デポジットとして一万円を預けることで銀行が開くまで延泊できるようになりました。ホテルオーナーの優しさ、日本人のこれまでの功績と日本円の信用に最大限の感謝をしました。みなさん、ありがとうございます。
残りの期間を3万円で過ごすことは現実的ではないため、クレジットカードの与信を回復するために動きました。後ほど説明しますが、この時点で与信が回復すればキャッシング機能が利用できると思っていました。
カード会社のページを血眼にして見ていると臨時支払いによって与信枠を回復できる可能性がありそうでした。臨時支払いは指定銀行に振込を行うようでした。しかし、インターネットバンキングサービスの設定をしていなかったので、台湾にいる私では対応不可。家族に電話して翌日振り込んもらう約束をしました。
(与信回復方法は未だよくわかってないので、話半分で流してください。)
人間やるべきことがわかっていれば焦らないんですね。お金がなくなっても不安な気持ちはなかった。ただこの状況が楽しい。旅にハプニングはつきものなので。
精神が安定し過ぎている自分が怖くなった。
5日目。
クレジットカード対応は、まだまだ続くよ。
残り少ない現金で効率的にカロリーを摂取すべくパンを大量購入した。異国の地でパン生活することになるとは。
臨時支払い対応は上手くいったのですが、クレジットカードは依然として利用できない。
仕方ないので、オペレータの方に相談したところ以下のことがわかった。
- キャッシングは、利用申請をしてないので使えないこと
- 臨時支払いによって一時的な利用枠引き上げ分を回復できたが、基礎与信は回復していない
2について補足します。
引越しで基礎与信を使い切ったので、一時的な利用枠引き上げで限度額を上げた。
一時的な利用枠引き上げを再度申請したが、いつ対応が完了するかわからないようでした。 状況を汲み取りながら丁寧に解決策を一緒に考えてくれたオペレータのお姉さんに感謝した。
与信枠の回復は毎月10日。宿代、食費。高雄から台北までの新幹線代を3万円で凌ぐことは難しいと考え、旅の撤退を決意しました。飛行機の便を震えながら変更した。 半周できなかった。
教訓4: 現金は多めに持っていけ。
教訓5: キャシング使えることを確認して出国しろ。
教訓6: 旅行する月はクレカ上限を気にして決済しろ。
家族にクレジットカード番号や暗証番号を教えてもらう、宿を毎回確保してもらう等で旅を続けることは可能でしたが、これ以上迷惑をかけながら旅しても楽しくないと考えました。
教訓4について補足。 8万円持っていきました。油断して自転車代と宿代を現金払ってしまい現金が急速になくなりました。クレジットカードが使えれば8万で十分足りたと思います。
6日目。
銀行で両替をした。
雨が降って自転車を漕ぐのが困難だと判断し延泊。お風呂に入ったりしました。
やることがないので終日Netflixを観た。
「あいのり」と「あいの里」は、最高だぞ。みんな観ろ!そして、語ろう。飯の誘い待ってます。
また、海外旅行のいい点としてNetflixでジブリ作品を視聴できるというのがあります。
7日目。
台北に向けて出発。
台北まで電車で行けると思ったが、自転車を乗せることができるのは八堵までらしい。
八堵から台北までは2日目に通った道。以前は知らなかった道が知っている道になっていた。
気のせいかもしれないが足取りも軽い。ギア最大まで上げるヤンチャ行為を繰り返しながら帰路についた。
8日目。
スタバや図書館で高校数学の勉強していた。
統計学を学びたいので高校数学から基礎固めというやつです。
9日目。
北投公園露天温泉浴池に向かった。
1時間漕いだ後の温泉。サウナよりチルできるのでオススメです。
実質4日ぐらいしか一緒に過ごせなかったけど、お前は戦友やで!と思いながら自転車を返却した。
夜は、Revolver というライブハウスに行った。
ライブハウスは全くの初心者。日本でも行ったことはない。
緊張しながら入場料を払い2Fで開催されている会場に向かう。音がしないのを不思議に思いながらドアを開けると目の前に裸の男。美しい肉体美を真剣な眼差しで見つめるヨーロッパ風の観光客。ライブハウスには、こんな余興もあるのかと思い辺りを見回すとスケッチをしているようだった。間違えた。慌ててドアを閉じて1Fに向かった。ライブハウスなのは事実だが、毎日演奏されているわけではない。その日は、Art Classだった。
初めてのライブハウスを海外で体験する人生ではなかったようだ。
10日目。
帰国。
台湾ありがとう。今回は負けたけど次回勝ちます!
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インド旅行記も楽しみにしておいてください〜